中学校の体育の授業で剣道は、2012年の武道必修化に伴い、必修科目の一つとして取り入れられています。授業では、礼法や相手を尊重する態度といった伝統的な考え方も学びながら、剣道の基本技(竹刀のみ)を習得することを目指します。
1年生の授業の様子です。
1年生の剣道の授業を見ていて、剣豪「宮本武蔵」(みやもと むさし)のことをふと思い出しました。私が中学1年生の時に、初めてと言っていいくらい本格的に読んだ本が吉川英治作の「宮本武蔵」でした。正確には吉川英治全集15~18全4冊 宮本武蔵です。これがその本の写真です。
この本に出てくる「宮本武蔵」の生き方が自分と重なるところがあったからです。武蔵は幼少頃「むさし」ではなく「たけぞう」と呼ばれ、とにかく荒くれ者でした。その「たけぞう」が沢庵和尚(たくあんおしよう)と出会い、持て余す力を剣に注ぎました。
(近畿大会初戦の写真で、真ん中が私です)
私も中学生の頃は気が荒いところがあり、力を持て余していました。そんな私に「柔道をしないか」と声をかけて下さったのが恩師、新井智先生でした。直ぐに入部し、練習を積み重ね、最後は近畿大会にも出場することができました。※新井智先生は都跡中学校にも勤務されておられました。
(宮本武蔵肖像〜島田美術館蔵。熊本県指定文化財)
宮本武蔵は、剣術において卓越した技量を持ちながらも、常に自分自身と向き合い、精神の鍛錬を重視していた人物です。晩年は細川忠利に仕え、兵法家として問答を交わす一方で、日常生活でも人々に親切であったことが記録に残されています。戦に備えつつも「剣を使わない平和な世を作りたい」と考え、武術だけでなく自己の精神や美意識を深く追求した生涯を送りました。